半世紀以上の歴史を誇る伝統行事
2月4日、第一体育館で高校1・2年の柔道大会を開催しました。洛南では男女ともに柔道を学び、生徒たちは授業を通してそれぞれ技を習得していきます。もちろん、柔道を学ぶことには礼の精神を養うという意味もあります。相手に礼を尽くし、授業や放課後の練習会で磨いた技を試し合う。それが半世紀以上の歴史を持つ柔道大会です。
今シーズン最強の寒波もなんのその、暖房が効いた体育館内はみんなの熱気でさらにぽかぽか。そんな中始まった開会式では、北川辰雄校長が相手へのリスペクトを忘れずに正々堂々と戦うよう呼びかけた後、生徒会会長があいさつを行い、続いて柔道部主将が選手宣誓。力強い言葉にみんなの気持ちはさらに高まり、いよいよ大会のスタートです。


コミカルな模範演舞にほっこり
試合に先立ち柔道部員たちが模範演舞を披露。10名の部員が顧問の間嶋先生の解説に合わせ、正しい礼法、反則技、危険技などのデモンストレーションを行いました。腰を引いて相手の技からひたすら逃げまわったり、一本を決めて歓喜の声を上げながら畳の上を駆けまわったり。今回の模範演舞も、オーバーアクション気味のコミカルな演技でみんなの笑いを誘い、試合前の緊張を和らげるのに一役買いました。
試合はクラス対抗団体戦と2年生女子個人戦のふた通り。トーナメントの団体戦は1・2年とも1クラスにつき6名が体重別に出場し、1年は今回から寝技部門3名と立技部門3名という布陣で試合に臨みます。女子個人戦は総当たり戦です。


一般生徒も部員も、みんな一生懸命
“ドンドン”とおなかに響くような太鼓の音とともに、いよいよ試合開始。3つの試合場で各クラスの代表が熱い戦いを繰り広げます。ほとんどの選手が柔道部員以外の生徒ですが、みんな果敢に前に出て、スキあらば投げを決めようと攻め合います。試合時間は2分。多くの試合がフルタイムの戦いとなり、中には1分59秒で抑え込みに入り、最後の力を振りしぼって勝利する選手も。ある1年生は「きょうも勝てなくて、またチームも負けて残念だったけど、クラスの友だちがあたたかく迎えてくれたのがうれしかった」と、少し言葉を詰まらせながら話してくれました。
さすが柔道部員、道着姿が畳の上でひときわカッコよく見えます。体さばきのキレもひと味違い、相手が一般生徒でも容赦せずに攻め続けます。これも柔道の礼法のひとつなのでしょう。もちろん相手も懸命に攻めてきますが、やはり黒帯にはかないません。部員同士の対戦はいろいろな技の掛け合いで、こちらも見応えがあります。主将に話を聞くと、「授業で学んでも、柔道の魅力がまだよく分からないという人が多いと思うので、この大会が柔道の面白さをあらためて知るきっかけになればうれしいです」と笑顔で語ってくれました。
2年生女子個人戦に出場したのは、すべて一般生徒。みんな、授業で学んだ技を余すところなく発揮しようと一生懸命です。そして、勝った選手はクラスメートと喜びを爆発させ、惜しくも負けた選手は「ゴメン」と謝りながら席に戻り、仲間の健闘をクラスメートが笑顔でたたえるという姿が多く見られました。2年生のある生徒に柔道をやっていてどんなときが一番楽しいか尋ねると、「ここぞというときに技を仕掛け、それがきれいに決まったときです」と元気に答えてくれました。






柔道で身につけた礼法を日常生活に
閉会式では北川辰雄校長が、「洛南は武道としての柔道を目指している。柔道で身につけた礼法は、たとえば授業を受けるときなど、日常生活のさまざまな場面に生かしてほしい。きょうは出場したすべての選手と応援した人、みんなに拍手を送りたい」というメッセージを生徒たちに贈りました。
今回の柔道大会も、多くの生徒の協力により無事開催することができました。柔道場からたくさんの畳を運び、試合場をつくってくれた柔道部員、得点集計などを担当してくれた生徒会役員、的確なアナウンスで大会を盛り上げてくれた放送部員、みんなありがとう。最後は一般生徒も畳を背負ってあと片付けを手伝い、伝統ある柔道大会はその幕を閉じました。


結果は以下の通りです。
【クラス対抗団体戦】
1年 優勝:7組 準優勝:8組 3位:5組、1組
2年 優勝:2組 準優勝:5組 3位:7組、8組
【2年生女子個人戦】
優勝:7組 谷口さん 準優勝:7組 金子さん 3位:3組 大本さん、4組 伊藤さん