みんな初めて、4年ぶりの開催!
2月2日、第一体育館で高校1・2年生の柔道大会を開催しました。洛南高校では男子も女子も柔道を学び、柔道大会は授業で身につけた技や礼法を披露するまたとない機会です。このように柔道大会は洛南高校の教育にとって重要な意味を持ち、50年以上の歴史を誇る校内屈指の伝統行事ですが、コロナ禍により中止が続いたためじつに4年ぶりの開催となりました。出場選手全員にとって洛南高校に入って初めての大会ということで、柔道部員も、そうでない生徒もみんな気合いが入ります。
開会式では、北川辰雄校長が柔道は武道であり、対戦相手や審判に敬意を払って試合に臨むことの大切さを訴え、続いて柔道部顧問の間嶋先生が「精力善用」「自他共栄」という柔道の精神を解説。そして2年生の生徒が、ケガのないよう全力で戦うことを力強く宣誓し、4年ぶりの大会がスタートしました。
部員たちの“名演技”に笑い声
試合に先立って柔道部員たちが模擬試合を行い、主に指導や反則のデモンストレーションを披露。相手の技を受けずにひたすら逃げ回ったり、一本を決めて雄叫びを上げながら畳の上を走り回ったり。黒帯の部員たちが柔道の精神や礼法に反する行為をオーバーアクション気味に演じると場内から笑い声が起こり、模擬試合は出場選手たちの緊張をほぐすのにも効果的だったようです。
試合は、クラス対抗団体戦と2年生女子個人戦のふた通り。トーナメントの団体戦は1・2年とも1クラスにつき7名が体重別に出場し、総当たりの女子個人戦は「我こそは!」と思う生徒が立候補して出場します。試合時間はいずれも2分。ケガ防止に配慮して技には制限が設けられ、1年の投げ技は「膝車」「大外刈り」「大腰」の3つ、2年はそれに「大内刈り」と「一本背負投」が加わります。これ以外の投げ技と、関節技や締め技は禁止です。
相手が誰でも絶対に勝ちにいく!
いよいよ試合開始。3つの試合場で各クラスの出場選手たちが熱戦を繰り広げます。授業で技を磨いているせいか、1・2年生ともに一般生徒の試合も見応えがあります。みんな果敢に投げを狙い、きれいに一本が決まったときは応援席から大きな歓声がわき起こります。とはいえ畳の上でのガッツポーズは反則。みんな礼を終えて畳を降りたあと、クラスメートと喜びを分かち合う姿が印象的でした。またフルタイムを戦い切り、お互いに健闘をたたえ合う姿はとても清々しいものでした。
柔道部員同士の対戦は迫力満点。技のキレはもちろん、畳の上での所作もやはりひと味ちがいます。そんな柔道部員が相手でも、みんな必死にくらいついていきます。中にはジャイアントキリングを成しとげる生徒もいて、そのときはクラスの垣根を越えて拍手がわき起こります。ある生徒は柔道部員との対戦を前に、こんな意気込みを語ってくれました。「相手が誰でもベストを尽くし、絶対に勝ちにいきます。それが相手に対する礼儀だし、そう思わなければ柔道大会に出る意味がありません」。
2年生女子個人戦も柔道部員、一般生徒に関係なく白熱した戦いが続きました。応援席では友だちと笑顔で話し合っていても、いざ畳に上がるとみんな凛とした表情で相手に向かっていく。そのギャップに圧倒されます。ある部員に話を聞くと、「技もそうだけど、柔道が大切にしている礼法をしっかり見てほしい。試合では一本で勝ちたいですね」。この言葉どおり、見事に一本勝ちを決めてくれました。
柔道の礼法を日常生活に生かす
閉会式では北川辰雄校長が、「柔道で学ぶ礼法は洛南が変わることなく大切にしているもの。皆さんもこの礼法を、校門一礼のように学校生活の中ではもちろん、日常生活の中で生かしてほしい」と講評を述べました。
今回の柔道大会も、多くの生徒の協力により無事開催することができました。柔道場から大量の畳を運び、試合場をつくってくれた柔道部員と剣道部員、得点集計など大会の円滑な運営に尽力してくれた生徒会役員、的確なアナウンスで大会を盛り上げてくれた放送部員、みんなありがとう。最後は一般生徒も畳を背負ってあと片付けを手伝い、4年ぶりの柔道大会はその幕を閉じました。
結果は以下の通りです。
【クラス対抗団体戦】
1年
優勝:8組 準優勝:9組 3位:2組、6組
2年
優勝:3組 準優勝:1組 3位:2組、6組
【2年生女子個人戦】
優勝:2組 滝さん 準優勝:7組 勞さん