「継承」と「創造」に「校風」を加えて
校舎を囲む金木犀の甘い香りが、秋を告げる季節となり、10月5日・6日の2日間にわたり、今年も中学・高校合同の文化祭が開催されました。学園長の挨拶にもありましたように、文化とは継承と創造からなるもの。学校の文化祭の場合、そこに校風が加わるのが面白いところです。
第1日目は、第1体育館で行われた登山家、野口 健氏の講演会でスタート。「富士山から日本を変える」をテーマにした講演は、中学2年で富士登山を経験する洛南生にとって、決して遠い世界の話ではなかったはず。そして、次は吹奏楽部とグリー部の演奏へ。吹奏楽部はハープの伴奏で混声四部合唱と、疾走感のある演奏の2曲を披露。グリー部は校歌の他、映画「メアリと魔法の花」の主題歌にもなった「HANABI」など3曲を披露し、会場は大きな拍手に包まれました。
北館では有志による鹿児島物産展や吹奏楽部の演奏も
北館の1階では威勢のいい呼び込みが響き、食欲を刺激する香りが漂います。香りの正体は、枕崎産の鰹ぶし。その場で削りたてを販売しており、「今年も買いに来たよ」と毎年楽しみにしていてくださる常連さんもいる名物商品です。他にも極早みかん、知覧茶、豚みそ、アワビの燻製など鹿児島の名品が集まり、文化祭のために入洛してくれた生産者の方たちと中学生有志が一緒に商品をアピールしています。焼き芋のブースにお手伝いで来てくださっていた鹿児島の農家の方は「みんなやる気のある子ばかり!昨日より今日の方が手際も良くなっていて頼もしいよ」と、笑顔で話してくださいました。鹿児島県は2012年から中学3年生の研修先としてご縁のある土地。研修先でお世話になった鹿児島の皆さんとの絆でつくる物産展は今年も大盛況でした。
第二体育館のステージでは中学吹奏楽部の演奏が行われました。今年は中高揃って京都府吹奏楽コンクールで関西大会出場を果たした吹奏楽部。飛躍の年であることを実感させる見事な演奏でした。「レ・ミゼラブル」や「ミッションインポッシブル」の寸劇を交え、バラエティに富んだステージングで観客を魅了していました。
企画盛りだくさんの本館展示&野外会場
本館1階には中学茶道部のお茶席「双樹庵」が開かれ、着物姿の部員がおもてなしに奮闘していました。鉄道研究会では切符型の入場券を検札するなど遊び心満載。また、今年から新たに合格祈願切符の配布も行なっており、受験生や保護者の方からも好評いただいていました。合格祈願といえば、書道部のリクエスト書道も人気です。合格祈願のほか、好きな言葉や、推しアイドルの名前など、希望する文字を美文字自慢の部員が書いてくれる有料企画です。自立するアクリルフレームに入れてお渡しするので、そのまま飾っていただけますね。本館2階の図書館では洛南ビブリオバトルが行われ、7人のバトラーの中には中学生の姿も見られました。
台風が接近してお天気が危ぶまれた2日目ですが、高校生がクラスごとに手がける模擬店や野外ステージを目当てに訪れる生徒や保護者、一般来場者で大いに賑わいました。クルクルと螺旋状にカットされた「トルネードポテト」や「やきとり」のブースは常に行列の人気ぶり。担任の名前を京都の某有名中華料理店のロゴにアレンジした「水餃子」屋さんなど、個性的なデザインの看板も目を楽しませてくれました。中学生は混雑するグラウンドを友人同士で「何食べる?」「別々の店に並んで、後からテントで集合しようか!」と楽しそうにウロウロ。模擬店の他には、運動部所属の寮生たちが石臼と杵で搗くお餅が無料で食べられる睦寮にも行列ができていました。
15時の閉会宣言をもって、2日間にわたる文化祭が終了!終盤は土砂降りの雨に見舞われましたが、雨上がりの空に濃く大きな虹が架かかる爽やかなフィナーレとなりました。