〇進路に迷う高校2年生
高校2年生徒の面談シーン。
「どの学部を志望する?」
と尋ねると、多くの生徒がこう答えます。
「迷ってます…。」
また、
「〇〇学部を志望するっていうけど、この学部で何を学びたいの?」
と尋ねると、これまた多くの生徒がこう答えます。
「えっと…。よくわかりません。」
高校2年生からは文系・理系に分かれて授業が始まっています。
文系・理系は決めたけれども、具体的に学部となると「?」です。
そんな高校2年生の進路選択の一助になればとOB・OGによる学部紹介セミナーを企画しました。
〇新たな発見
今回のセミナーでは文学部、法学部、経済学部、教育学部、理学部、工学部、農学部、薬学部、医学部と9学部を開催いたしました。30分間のセミナーを3回行っていただきます。よって、生徒たちは興味をもった3つの学部を回ることになります。
さて、どのようなセミナーが展開されているのでしょうか。少し覗いてみましょう。
「教育学部ってすごく人数が少なくて60人しかいません。でも教授の数は多くて、学生2人で教授1人つくかな。だから、その分とてもよく面倒を見てくれます。ところで先生になる人って、このうち何人ぐらいいると思う?」
この問いかけに、「30人ぐらい??」と声が上がります。
「やっぱりそんなイメージやんね。実は5人もいたら多い方です。教育学部は人間を研究するところなんですよ。先生をつくる学部ではないのです。」
これにはみんな「!」。教育学部のイメージがガラッと変わったようです。
となりの教室でも同じような話が・・。
「農学部は農業をする人をつくる学部ではありません。それって、工学部は建物業者や製造業者をつくる学部って言っているのと同じですよ。この写真を見てください。」
みんなの視線が写真に集まります。そこにはのどかな田園風景が広がっていました。
「ここに写っているもの、すべてが農学部の研究対象なんです。土壌を研究したり、天気を研究したり。今周りで起こっているあらゆる自然現象や自然物を研究するのが農学部なんです。つまり、自分が興味をもったものをなんでも研究できるというのが魅力なのです!」
驚きの表情を隠せない生徒たち。大きくうなずいていました。
それぞれの学部ではいろんな学科があります。それもまた生徒たちが知りたいところ。
「僕の行っている地球工学科はね・・・、でも物理工学科は実際にこの学科に行っている友達から聞いたんだけど、・・・」
と自分の学科だけではなく他学科についても話してくださいます。とくに理系学部は学科が多いので生徒たちも大変参考になります。
あとはどの学部も就職先。
「文学部は出版関係というイメージがありますが、一般企業から、公務員と幅が広いですよ。ちなみに僕は西洋史を研究しているから教師を目指しています。」
すべてを紹介することはできませんが、スライドを使ったり、資料を配布したりと工夫をしながらそれぞれの学部の魅力を語ってくださいました。
このような話を通じて、生徒たちがもつ学部に対するあらゆる固定観念がどんどん崩されていきます。
新たな発見が連続する貴重な30分間でした。
〇まだまだ聞きたい!
セミナーのあとは「個別相談会」を設定しました。
「もしかしたら、あまり生徒は来ないかもしれません」
そんなことを事前打ち合わせて、OB・OGに話していました。
さて、実際は・・・。
先生方の予想に反して、多くの生徒が殺到しました。
「この学部はきけなかったので、一から聞いてもいいですか?」
「高校時代に何をしとくべきですか?」
「受験勉強のアドバイスをください。」
そんな生徒たちの質問に1つ1つ丁寧に答えて下さいました。
予定は1時間でしたが、それではさばききれず結局1時間半開催されました。
〇OB・OGに大感謝!!
生徒たちにセミナー後に聴いてみると、
「とてもよかった!」
「〇〇学部もありかなって思いました。」
「学部のイメージが変わりました」
今日のセミナーが生徒たちの進路選択のきっかけとなればと願ってやみません。
学校ができるのはここまで。あとは自分でこの夏休みにオープンキャンパスなどにどんどん参加して、進路の具体化を図ってほしいと思います。
このようなきっかけを作ってくださったOB・OGの皆さまには感謝の言葉しかありません。
「後輩たちの役に立ててうれしいです!」
OB・OGの皆さんが口をそろえてこう言ってくれました。
ありがたい言葉です。前期試験の忙しい中、「後輩のためなら」と11名も集まってくださいました。なかには東京から駆けつけてくれた方もおられます。
OB・OGのみなさん、本当にありがとうございました!!
<今回協力して下さったOB・OGの皆さん>